みんなの心の奥に眠っているワクワクに火をつける!
“TAP Show-Zone” タップダンサー タナカエリカ さんの選択

細やかに動く足先から紡ぎ出されるリズムと、情感豊かで躍動感あふれるタップダンス。
音に合わせていつの間にか自分の胸の奥も震えはじめ、文字通り「胸が踊る」状態になると、なんだか魔法にかけられたような気分になりますよね。
それは演じ手から溢れ出す感情が伝染したのかな?それとも、もともと自分の中にあった感情が共鳴したのかな?エリカさんはこう言います。
「みんなの心の奥に眠っているワクワクに火をつける!」
エリカさんの活動のコンセプトは「ワクワクxタップx福祉」
13歳からタップダンスを始め、ニューヨークに3年間ダンス留学。帰国後は福岡を拠点としてパフォーマンス活動・レッスン講師などを行いタップダンスの普及に努めています。また、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持つエリカさんは、障がい者施設や特別支援学校、高齢者施設などなど・・・様々な場所で体験型タップダンスショーを実施しています。
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詳しい活動内容についてはこちら
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エリカさんの瞳はいつも輝いて見えます。レッスンで教えているときも、舞台で踊っているときも、そしてインタビューに答えていただいているときも。まるで好奇心で瞳を輝かせている子供のよう。
また、デッサンのモデルとして描かせてもらったこともありますが、なんというか、描いているうちに線の先からどんどん物語が溢れ出していくような、描き手の創作意欲を掻き立てる何かを持っています。

なぜエリカさんはそういう空気感を出せるのでしょうか?
そのヒントをもらうべくお話を伺ってきました。

1,毎朝、今ここにいる自分の状態に感謝する
ちょっと意外だったのですが、エリカさんは自宅に神棚を祀っています。
新しい朝が来たら、お水も新しくして、思うのだそうです。

「今日も楽しくタップを続けられています。ありがとうございます。」
誰でもそうだと思いますが、日々の生活はうまくいくことばかりではありません。
嫌なことがあったり、失敗したり。
思っていることが伝わらなかったり、衝突したり。
人生においても山あり谷ありで、挫折を味わったり、目的を見失って未来が見えなくなることも。
「でも、こうやって毎朝、感謝する気持ちを大事にしていると、昨日あった嫌なことも次のステップにつながっていると思えるんです」

エリカさんは、初めからタップダンスが好きだったわけではありません。
全くやる気がない生徒だったそうで、一度やめてしまった時期もあります。
高校受験で志望校に合格できないという挫折を味わい、大学受験を避けてしまったり。
福祉の専門学校に行くも、就職について前向きになれなかったり。
ニューヨーク留学から帰国してしばらくは、レッスン講師の仕事も週1回程度。アルバイト生活を続けていくうちに全く笑えなくなってしまったことも。

「でも、その一つひとつのことが、今の自分につながっているんです」

第一志望の高校じゃなかったけど、そこで出会った友人はかけがえのない宝物。
福祉の学校に進学したからこそ、今、様々な場と場をつなげる活動ができている。
笑えなくなった自分に気づけたからこそ「アルバイトに頼らずタップ一本でやる!」という覚悟を決めることが出来た。

毎日いそがしくしていると「今の自分に感謝する」時間なんて忘れてしまいます。

でもエリカさんのように「いろいろあるけど、今日もまたタップができる」というシンプルなことに幸せを感じることって、とても大切なことだなあと思いました。


2、決断に迷ったら「同じ空間を作れそうかどうか」で判断する。
今や多くのレッスンやイベント出演でいそがしい毎日を送るエリカさん。
いろんなお仕事の話が舞い込んできますし、さまざまな方との交流も多くなってきます。
それに加えて、エリカさん自身がやりたいこともたくさんあります。
でも、身体は一つ。どこかで取捨選択の決断をしなければなりません。

そんなとき、基準にしているのが「この人と、私が作り上げたい空間は合うかな?」ということ。
例えば、エリカさんは「まぜこぜむら」の「芸能福祉課」運営委員としても活動しています。「まぜこぜむら」は、障がい者や高齢者、マイノリティもみんな安心してまぜこぜに関わり合える集いの場です。
タップダンスと福祉をつなげる、というのがエリカさんのやりたいこと。でも、その道は簡単ではありません。
「身体の一部が不自由だったりと、マイノリティというのが見てわかりやすい方もいらっしゃれば、そうでない方もいる。無意識に放った言葉や行動が、誰かを傷つけてしまうこともあるんです。
だから私は普段から、障がいのあるなし、マジョリティ・マイノリティ関係なく人と接するように気をつけています。でもそれってとっても難しいことなんですけどね…」

それは確かに、難しい…。だからエリカさんはこの仕事をするかどうか決断するときは、その人の纏(まと)っている雰囲気や表情、言葉での表現の仕方で「自分の作り上げたい空間と合うかどうか」を自分なりに感じ取るようにしているそうです。
「とはいえ、最終的には自分がその話にワクワクしたらいいんですけどね!」
しっかりと人と向き合う姿勢と、最後は直感で決める、という両極端の部分があるからこそ、さまざまな人を巻き込んでいけるのかな、と思いました。


3、何が起こるかわからない人生に、ワクワクする。
エリカさんを見ていると、自分の身に起こる全てのことを面白がっているように見えます。

レッスンには、子供から大人までいろいろな人が通っていて、中には真面目にやらない子もいます。でも、エリカさんは怒りません。
「やる気のない子も、もしかしたら私みたいになるかも!!と思ってやってます」
それはエリカさんが自分で経験したからこそ、言える言葉。
レッスンの取り組み方も人によってさまざまで、スパルタ的なペースを好む方もいれば、のんびりしたペースを好む方もいます。
基礎はやりたくないけど、この曲のこの難しい部分をとにかく踊りたい!という方も。
「当然基礎ができていないから時間はかかるけど、その方が楽しくやれるなら、それでいいと思ってます。」

エリカさん自身「タップを極めたい」と思ったから仕事にしているわけじゃないのだそうです。
「タップにワクワクしたから、続けてるだけなんです」

前にも書いたように、エリカさんは一度タップをやめた時期がありました。
それはちょうど、「全てのことに逃げ腰」だった時期。

でもある日、以前教えてもらっていた師匠がTVに出ているのを見てから、エリカさんの中で少しづつ変化が起こり始めます。
エリカさんの師匠は、日本のタップダンス界の牽引者と言われる中野章三さん。当時、下駄でタップを踊るシーンが話題になった映画「座頭市」の北野武監督とも交流がある方です。
第一線で活躍する師匠を見て、とにかくワクワクしたそうです。
「人間、どこで "やる気スイッチ" が入るかわからないですね」

それから転機が訪れます。福祉の学校を卒業する直前に決めた、ニューヨーク留学。
就職を控え、悩んでいたエリカさんの様子を見ていた父から「一度、本場でタップダンスの基礎を学んで来なさい」と言われたことがきっかけです。
師匠のおかげで本気度が上がっていたエリカさんですが、海外だなんて…!なかなか勇気が出ません。
「でも、ここでYESと言わなかったら私はいつまでも逃げ腰のままかもしれない!」
2ヶ月後、エリカさんはニューヨークにいました。

「人生、何が起こるかわからないですよね」

ニューヨークでは、自由に生きる人々を目の当たりにし、考え方も変わったそうです。
価値観は人それぞれだから、レッスンのやり方は強制しない。
人間、どこで "やる気スイッチ" が入るかわからないから、ゆっくり見守る。

世界にはいろいろな人がいて、自分の中にも "いろいろな自分" が存在することを知っているエリカさんは、誰に対してもフラットな態度で接します。それが人に親近感や安心感を与えているのかな、と思いました。


夜中までハイテンションで踊っていることもあるエリカさん。
ある日、思い切り踊ったあとの、背中にある汗の形がハートの形になっていることに気づいたそうです。

思い切り生きていることが、一番の幸せ。

何が起こるかわからない人生に、エリカさんはいつもワクワクしています。
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「その人の習慣が人生を創る」とよく言われます。あなたはどんなことを習慣にしていますか?
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「and You?」のコンセプト&経緯はこちらから
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